Japan AWS Top Engineersに選ばれたTakumaに、キャリア、価値観、注目している技術トレンドについて聞きました
―最初に自己紹介をお願いします。
私の専門領域はデータ活用や機械学習におけるプラットフォームエンジニアリングで、特にDataOpsやMLOps(機械学習の開発〜運用プロセスを効率化・自動化する枠組み)、それと大学院で研究していた ComputerVision (画像処理系のディープラーニング分野) に軸足を置いています。
前職のAWSではクラウドサポートエンジニアとして BigData/ML チームに所属し、RDS や EC2、Lambda などの汎用サービスに加え、AWS 上での BigData 活用や MLOps の技術的な課題の解決に取り組んできました。現在はSlalom Japanで、Data&AI領域を中心に、インフラからアプリケーション、時にはガバナンスやセキュリティまで、幅広く案件に携わっています。
― AWSトップエンジニアに選ばれたことについて、その価値や取り組み背景について教えてください
選ばれたことは素直に嬉しかったです。選出される権利を得るには AWS のプロフェッショナルレベルの資格をいくつか取る必要があるのですが、選出されるには、プロジェクトで技術リードとして成果を出し、ビジネスインパクトを生み出すことが重要です。加えて、外部登壇や技術記事執筆などパブリックな貢献も必要なのですが、こうした実績は引き続き積み上げていきたいです。
―Takumaさんが技術者として大切にしていることは何ですか?
IT 技術は社会インフラだと思っています。だからこそ「まずは利用者に使われて、そこから共により良くしていくことが大事」だと考えています。
根本的にシステム自体が使われないと改善・洗練されていかないものなんです。利用者の反応―データやフィードバックなどーをもとに改善を重ねていくことで、より良いサービスやプロダクトにつながっていくと思っています。そういう意味で技術者として大切なのは、技術だけを磨くのでなくビジネスの視点を持つことやプロジェクトでリーダーシップを発揮することです。私自身も技術を磨くのはもちろん、限られた期間内で周りを巻き込みながらチームで成果を出すことや、お客様のバディになるための関係性構築力など、伸ばしたいポイントがたくさんあります。
Slalom で働いていて、一緒に働いているエンジニア陣は、ビジネスとのつながりにプロダクト開発の重要性を感じているメンバーが多いと思います。
―Slalomでは現在どのようなプロジェクト支援をされているのでしょうか?
私はAI・LLMを活用したアプリケーション開発を中心に、お客様の課題解決を支援しています。いわゆる「フルスタック」で、クラウドインフラからDataOps、MLOps、アプリケーション開発、さらにはガバナンスやセキュリティまで、領域を横断してプロジェクトを推進しています。
お客様に「期待を超える価値」や「新しい体験」を届けるためには日々技術検証も並行して進めていく必要があるのですが、Slalomでは実際に手を動かしてテストできる環境があるのはありがたいですし、AWSやGoogle Cloudの新しいサービスも自由に触って試せるのは成長につながっています。
―今後の可能性を感じる技術領域は?
可能性を感じている領域は、LLM(大規模言語モデル)の先にある「データ」と「ロボティクス」です。
最近はOpenAIやAnthropicなどのベンダーが新しい言語モデルをどんどん出してきていて、OSSのLLMもすごく発展しています。言語モデルのチューニングや改善が進んでいくと、次に競争力の源泉になるのは「データ」だと思っています。みんな同じLLMを使っていても、どんなデータを持っているか、どう活用できるかでAI を活用したアプリケーションの質が大きく変わる。だから、データの質や活用方法が今後ますます重要になっていくはずです。この分野はもともと自分も好きなので、すごく熱いなと感じています。
もう一つはロボティクス、いわゆる「フィジカルAI」です。NVIDIAがハードを出し始めたり、Boston Dynamicsが倉庫や軍事分野でロボットを活用したり、中国でも人間っぽいロボットがどんどん出てきています。今はまだ日常生活からは見えない部分で使われていることが多いですが、これから家庭や街中でもロボットが活躍する時代が来ると思っています。AIに「体」を与えていく流れは、技術者としてもすごくワクワクしますし、今後もっと可能性が広がる分野だと感じています。
―Slalomのカルチャーや社内共創への思いが強いですよね。今後やって行きたいことはありますか?
やっぱり「情報交換」や「勉強会」をもっと活性化したいという思いがあります。
入社した時から、技術チームの中で最新情報をキャッチアップしたり、勉強会を開いたりすることを提案してきました。例えば、AWSのビッグデータ関係やGoogle Cloud、オンプレ系のAIエージェントなど、興味に従って担当を決めて、隔週ミーティングで共有する――そんな仕組みがあれば、みんなの知見が広がるし、日々の業務にも役立つと思っています。
それに加えて、最近は技術だけでなく、ビジネスサイドの方々とも一緒にデータの価値や活用について議論できる場を作りたいと考えています。自分自身もビジネスの視点を広げていきたいですし、技術とビジネスの両方からデータの価値を深掘りできる勉強会やディスカッションを通じて、より良い提案やお客様とのコミュニケーションにつなげていきたいですね。
―仕事へのパッションがすごいですね!少し仕事から離れたところで、趣味や読んでいる本についても教えてください
実は極真空手や光るシャボン玉作りが趣味です。IT寄りだとゲーム構築や立体音響の音源構築などを、友人も巻き込んでやっています。特に最近は立体音響の音源作成に力を入れていて、"没入感" をキーワードに、サウンドアートの文脈で育まれてきた技術やノウハウなどを調べながら愉しんでいます。
本は、私は同じ本を繰り返し読むことが多いのですが、最近読んでいる本は、「科学は歴史をどう変えてきたか」です。大学時代から何度も読み返していますね。科学の各分野の発展史を、キーマンとなった科学者に焦点を当てながら紹介してくれている本で、内容のみならず、行間からも多くのことを感じ取れる本です。皆さんにもお勧めします!